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光ほのかに・・・・・


はからずも倉庫の大整理をして 出てきた 昔昔の手紙の束や ささやかな記念の品など・・・・・

イベント用の荷物の整理をして とうとう夜明かしをしてしまい 早朝 帰国の途についた実習生四年生
を見送って 正式に内装工事のはじまる倉庫の半分を 何とか片づけ 時間切れのものは
残る半分の側に押し込んで ぼちぼち作業をすすめているという有り様・・・・。

日頃 多忙を盾にして 私物の整理もおろそかな中で 箱の底から出てきた もうしみもつき色変わりした
紙の小箱・・・開けて見て 半世紀余が あっという間に その時につながる不思議さ・・・・。
ことにも さきほど見つけ出した アンネフランクの日記・・・・。
小さな本のケースは 歳月を表していて これもシミの数々・・・そっと抜き出したつもりの本・・・
膝の上に広がる 乾燥した背表紙の 色変わりした紙片・・・・・。 パラリと開いたそのページに
おそらく当時の私が鉛筆でひいた線のその文章・・・・。

途中で涙が溢れてきてしまって しばらくよめなくなてしまった・・・その一節を 私は 引き写しておきたい・・・・。

1944・7.15[土)
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「その奥底においては、青年は老年よりもさみしいものである」わたしはあるほんでこの諺を読み それが
真理であることを発見しました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここの生活では 大人たちの方が苦しんでいるという人は 私たち子供の上にのしかかっている問題が
どんなものだかを知らないのです。 これらの問題は わたしたちにあまりにも重荷で 絶えずわたしたち
をくるしめています。わたしたちはいろいろ苦しんだ挙句 やっとその解決策を思いついたと思っても
げんじつにぶつかると その解決策はウタカタのように消え去ります。 理想も 憧れも 夢も冷たい
現実に直面すると たちまち打ち砕かれてしまうのです。これが今のような時代の悩みです。

『わたしはあまりバカバカしくて、 とても実現しそうもない自分の理想を、全部捨てさらないのを
われながら不思議に思います。理想をもち続けているのは 人間の性は結局 善であることを
いまでもしんじているからです。わたしは混乱、不幸、死などを土台として、その上に自分の希望を
築くことはできません。わたしは世界が次第に荒廃しているのを見、 わたしたちさえも破滅させる
かもしれない嵐が近づいている音を聞きます。わたしは数百万の人々の苦しみを身に感ずることが
できます。しかしそれでもかつ、天を仰ぐとき、すべてはまた正常に帰り、この残虐も終わり 平和と
静けさが再び世界を訪れるだろうと思います。
それまで わたしは理想をもちつづけなければなりません。 やがて、これを実現できる時が
来るでしょう』

二重かっこ内が 当時15歳の私が線を引いたところだ・・・・。

只今のこの平和ボケの私の在り様・・・・当時の私よりも まだ二歳も若いアンネのつづった日記・・・・

それは 恩師のプレゼントだった・・・・表紙裏に かなりうすらいだ 万年筆のサインが入っていて
ドイツ語で Zu Meine Yunge Freunde・・・・1955・5.16 
当時まだ書物は 貴重で高価だった・・・・昭和30年2月15日再販・・・地方売価310円・・・・
そのようなものを下さった先生は よほどに 私の作文などに 注目してくださっていたらしい・・・・。
ほぼ同世代の いわば生き残った一少女に どのように生きてゆくべきかの大きな課題をなげかけて
下さったのだと思う・・・・・。 モンゴメリーの赤毛のアンに夢中だった当時の私が 急転直下
市立図書館に通い詰めるようになって デカンショの世界に 埋没していったのだけれど・・・・・。

この私の今生は 星の数にも負けない多くのアンネ達の後を ちゃんと バトンタッチして
生きているだろうか・・・・・。現実に追われてすっかり薄らいだ志というべきもの・・・・
遠い昔に星となられた先生は 遥かな天上で苦笑なさっているかもしれない・・・・。
難しいことは分からないけれど・・・・・せめて 祈れる人になりたい・・人の幸せを喜びあい
悲しみも苦しみも分かち合え・・・・今 アンネの状況を思えば 何と自由で
恵まれていることだろう・・・・・・どうぞ健全な継承と発展に ほんのわずかでも役だたさせてください・・・・・

ありがとうございます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
by dmm8649 | 2009-10-21 00:15