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トータスマミーの独り言


by dmm8649

存在という 静かな 営み

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先日 日経新聞の文化欄で 初めて デンマークの ウイルヘルム ハンマーズホイ という
画家の存在を知った。 無機質にも近いような 何とも不思議な世界に どうしても見てみたい
と言う思いに駆られて 明治神宮の祭典のあと 一人で 全く久々に 上野の 西洋美術館を
おとずれた。 まさに文化の日ということもあったのだろうか 常にも増して 大変な人出の 
上野・・・・ 博物館から各美術館 動物園もあると言う環境・・・・しかも 快晴。
別の所では 多くの親しい画家たちの展覧会もあった ミッドタウンのサントリー美術館では
ピカソ展もやっていた・・・・けれども 限られた時間の中で 一つに絞らねばならない私に
とって これは是非とも 目にしておきたい展覧会だった。
地下のロッカーに荷物をあずけて 身軽になった私は 未知の世界に入ってゆく少女の様な想い。 誰への気兼ねもなく ゆっくり 丁寧に 視界におさめて 進んでゆく・・・・。
ちょうどT様から 面白い本ですよ と送って下さった 「聖なる予言」を 読み進んでいた世界
と どこか接していて しかも対極かもしれない世界・・・・・。
今生の日々を 静かに忠実に生ききる姿の 一つの荘厳ともいえる姿・・・ じっとみていると
その床も壁も あした夕べの光も 日常の家事をきちんと執り行ってゆく主婦のうなじや
背中・・・の 何と深い静けさに満ちている事だろう・・・・ 幸福だの不幸だのと騒ぎ立てる
事もなく つつましく描き続けた画家 それを支えた妻・・・不覚にも 涙が滲んできた・・・・。
好きだの嫌いだの 楽しいのつまんないの きれいだの汚いだの 儲かったの儲からないの
その様な感情の波に ゆらぐことさえ超えていて この生活空間の 時間の流れと会話とを 
ふと想いやる・・・・。 
生まれた 生きた そして旅立って行った・・・充分ないのちの営み。 幾重にも重なる 営みの歴史・・・・。ねばならない・・・を超えて ただ今あることへの 感謝・・・・・。
静と動 明と暗・・・ 自ら激浪の中に没し去るかもしれない人類という生命群の不安が 
カビの様に噴出しているような今 この絵の前に立つ事は 私にとって大切な事だった
かもしれない。 
by dmm8649 | 2008-11-13 00:15